門まわりの松を整える|八王子市の現場で見る、枝ごとに形を作る仕立て
2026年6月、八王子市で門まわりの松の手入れをしました。この記事では、作業後に撮った一枚をもとに、松の手入れで何をしているのかを説明します。

写真で見てほしいところ:枝ごとの「葉の塊」
写真の松は、枝の先ごとに葉がまとまり、雲が浮かんでいるような塊がいくつも並んでいます。
松の手入れでは、木全体を一つの形に刈りそろえるのではなく、枝一本ごとに、葉の塊の大きさと間隔を整えていきます。塊と塊のあいだに空間があることで、幹と枝の線が見え、松らしい姿になります。
門まわりや塀の上に枝を張り出させた松は、長い年月をかけて形が作られてきたものです。前の職人がどの枝を伸ばし、どこで止めてきたかを読み取ってから鋏を入れます。
松の手入れは、年に2回
初夏:みどり摘み(5〜6月ごろ)
春になると、枝先から「みどり」と呼ばれる新芽がろうそくのように立ち上がります。これをそのままにすると、枝が長く伸びて、葉の塊が崩れます。
みどり摘みでは、伸びた新芽を摘んだり、本数を減らしたりして、今年伸びる量をそろえます。この現場の手入れも、ちょうどこの時期にあたります。
冬:もみあげ(11〜2月ごろ)
秋から冬にかけては、古い葉を手で抜き取る「もみあげ」を行います。古い葉を減らすと、枝の内側まで日と風が通り、翌年の芽の勢いがそろいます。
松の剪定について、詳しくは松の剪定はいつ?もみあげとみどり摘みにまとめています。
松を機械で刈ってはいけない理由
松を刈込み機で一気に刈ると、葉が途中で切られて先が茶色く枯れ、見た目が大きく崩れます。また、芽の位置を考えずに切ると、翌年に枝が出てほしい場所から芽が出ません。
松は、手で摘み、鋏で一本ずつ切る木です。 手間はかかりますが、そのぶん何十年も形を保てます。
自分でできること、頼んだほうがいいこと
自分でできるのは、手の届く高さの枝で、伸びたみどりを指で折り取るくらいまでです。
頼んだほうがいいのは、門かぶりや玉散らしのように形が作られている松、脚立が必要な高さの松、何年か手入れが止まって形が崩れてしまった松です。崩れた形を取り戻すには、数年かけて少しずつ戻していく必要があります。
同じ現場の庭全体を道路から見た写真は、角地に建つ家の、仕立てた松の庭で紹介しています。
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