透かし剪定とは?刈り込みとの違いと、翌年の枝の出方が変わる理由
庭木の手入れには、大きく2つのやり方があります。刈り込みと透かし剪定です。
同じ「切る」でも、結果はまったく違います。しかも違いが出るのは作業した日ではなく、翌年です。
刈り込み ── 外側の面をそろえる
伸びた枝の先を、外周に沿ってバサバサと切りそろえていくやり方です。生垣を刈るときの、あの動きです。
利点は早いこと。 見た目もその日のうちにすっきりします。
問題は、翌年の芽の出方です。 枝は先端を切られると、切り口のすぐ下から複数の芽を吹きます。1本切ると、そこから2本3本と出てくる。これを毎年くり返すと、外側だけ枝が密集し、中は日が当たらず枯れ込んだ状態になります。
外から見ると緑の塊、中を覗くと枯れ枝だらけ。放置された生垣がこうなっているのを、よく見かけると思います。
透かし剪定 ── 枝を根元から抜く
一方の透かしは、混み合った枝を、付け根から外していくやり方です。先端を切るのではなく、その枝を丸ごと1本なくします。
だから枝の総数が減ります。減った枝の分だけ、中まで光と風が入るようになります。
手間はかかります。 どの枝を残してどれを抜くかを、1本ずつ見て決めるからです。刈り込みなら30分で終わる木に、2時間かかることもあります。
何が変わるのか
次に手を入れるまでの間隔が延びる
刈り込みは切った先から芽が増えるので、翌年もっと茂ります。透かしは枝そのものを減らすので、戻るまでに時間がかかります。
年1回で保てるか、年2回必要になるか。長い目で見ると、この差が費用に効いてきます。
落ち葉が減る
単純な話で、枝が減れば葉も減ります。ご近所への落ち葉のご相談をいただいたとき、私たちが透かしを勧めるのはこのためです。
病気と虫が減る
木が混んでいると、内部が蒸れます。蒸れると、うどんこ病やすす病が出やすくなり、毛虫も居つきやすくなります。風が通るだけで、この手の問題はかなり減ります。
姿が自然になる
刈り込んだ木は輪郭が人工的になります。透かした木は幹と枝の線が見えるので、庭に置いたときの見え方が違います。
それでも刈り込むもの
透かしが常に正しいわけではありません。「面」や「形」を見せる仕立てものは、刈り込みます。
- 生垣(カイヅカイブキ、レッドロビン、マサキ、ドウダンツツジ)
- 玉散らし・玉物(ツツジ、サツキ、キンメツゲ)
- トピアリー、円筒形に仕立てたもの
これらは形そのものが目的なので、透かして中を見せる必要がありません。
大事なのは、木の種類ではなく「その木がどう仕立てられてきたか」で決めることです。前の職人がどう作ってきたかを読んでから鋏を入れます。
一度ししおどしになった木は戻せるか
外側だけ茂って中が枯れた状態からでも、多くの場合は戻せます。ただし一度で終わりません。強く切ると内部から芽が出るまで数年かかるので、2〜3年かけて段階的に戻していくことになります。焦って一気に切ると、二度と葉が出ない枝を作ってしまいます。
庭番(niwaban) は、原則として透かします
私たちは原則として透かして納めます。時間はかかりますが、次に手を入れるまでの間隔が延びる分、お客さまにとって結局は安く済むからです。
生垣や玉物は刈り込みます。木を見て、その木に合ったやり方を選びます。
「前に頼んだところが刈り込みだけで、中が枯れてしまった」というご相談もよくいただきます。戻せるかどうか、見てからお答えします。お見積りは無料です。